中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2951回
高収益のアリババがなぜ無配?

「女房を質に入れても株を買う好機」
と言いましたが、
いまはどこにも質屋はありませんし、
先ず女房がおとなしく言うことを聞いてくれるわけもありません。
それに、
「借金をして株を買ってはいけません」
と投資家三戒の1つにあげている私の言うことですから、
もちろん、
本気にしないで下さい。
しかし、アジアの次の時代を代表する優良株を
またとない安値で手に入れることのできるチャンスが
近づいていることは間違いありません。

たとえばアリババのような優良成長株が高値の41.8ドルから、
前年比利益率が3.4倍と決算発表されたにも拘らず、
何と12.2ドルと高値の3割までころげおちてしまいました。
好業績にも拘らず無配にしたせいで
更に背中を押されたのだと新聞で解説されていましたが、
上場時の13.5ドルを割るところまでころげおちたのには
当然のことながら、
インサイド・ストーリーがあって然るべきでしょうね。

眞意のほどは私が当事者たちから直接きいたわけではないので
保証の限りではありませんが、
アリババの最大の株主は39%を所有するヤフーです。
そのヤフーにマイクロソフトがM&Aをしかけています。
ヤフーは拒否していますが、
アメリカでは紆余曲折があっても
結局はその軍門に下るのではないか
というのが一般的な見方だそうです。

そうなると、
アリババも自由がきかなくなるし、
2005年に万一の場合、
ヤフーの持株をアリババが買い戻す契約をやっているので、
そのための資金も必要になるし、
また別のスポンサーを探す必要にも迫られるようになった
という噂が流れています。
そうだとしたら、
公開時の値段まで大暴落したことも大幅増益にも拘らず、
無配にした理由も説明がつきます。

それ以外にはたして
どんな懸案が待ちかまえているかわかりませんが、
アリババの今年度・来年度の成長を考えれば、
いまは絶好の買い場と考えていいのではないでしょうか。
そうは言っても高い株ですから安値と言っても
手を出すにはかなりの勇気が要りますが…。


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2008年4月8日(火)

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