中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2952回
広告業は国によってやり方が違います

私がアリババやテンセントのような
ニュー・ビジネスにふれようものなら、
その昔、お前はIT関係の株は駄目だと言ったじゃないかと
鬼の首でもとったように喜ぶ手合いがおります。
私がその例としてひいたのは
方正とか、聯想とか言ったハードの株のことで、
事実、そうした株はいまでもまだ足踏みをしています。
いまも同じことが続いているので、考え方は変わっていませんが、
仮りにハードの会社が起死回生の動きに転じたら、
私だって物の見方を変える必要があります。
情勢の変化に応じて素早く対応するのが
株式投資に勝つ要諦の一つです。
バカの一つ覚えで自分の考え方に固執するのが一番いけないのです。
ましてや私のように
ソフトのビジネスにあまりふれたことのない人が
アリババみたいな業種に言及したら、
異様な物体が天から落ちてきたように驚くのは
煉瓦のようにコチコチで
融通のきかない頭で株式投資をやっている
何よりの証拠じゃないでしょうか。

もちろん、私にも間違いがたくさんあります。
間違いと気がついたら、すぐにも訂正しますし、
その旨、文章にも書きます。
訂正したらそれが間違いだったという二重の間違いもあり得ます。
ですから、私の意見もほどほどにきいて下さいと言っているのです。

たとえば、中国の広告業界をどう見るかについて、
経済が発展すれば、
広告業界は大きな商売になるだろうと考えました。
そこで、広告業の中で上場している企業の中から
大賀伝媒という会社を見つけ出してきて、
電通や博報堂のような展開はできないだろうかと
色々な提案をしたことがあります。
電話の広告はこれからはじまるので、
日本との合弁企業もつくる手伝いもやりました。
また上海に新しいデザインの会社もつくりました。
でも日本のように
広告会社がある特定の企業の宣伝広告を一手に引き受けるシステムが
中国では育たないことを理解するのに2年もかかってしまいました。
じゃ中国の広告会社は駄目なのかというと、
もちろん、そうではありません。
それぞれの国によって、
その国に向いた商売のやり方があることがわかったのです。
大賀の場合もやっとその玄関口まで足がとどいたところです。


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2008年4月9日(水)

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