中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2953回
立看板専業の広告屋にも新しい芽が

広告業は日本では
一つの広告業者が一つの会社の広告宣伝を一手に引き受けます。
新聞や雑誌からはじまって、
ラジオができたらラジオ、テレビになったらテレビの広告を、
と次々と手を拡げて行きます。
ですから会社が大きくなると宣伝費も大きくふくれあがり、
電通や博報堂は見る見る大会社に成長したのです。

ところが、中国では
すべての広告を一社に頼むようなスポンサーはおりません。
立看板の広告なら立看板専業の広告会社に、
テレビの広告ならテレビ専門のエージェントができるのです。
立看板の会社がテレビの広告もやることはないし、
従って将来と雖も、
総合広告のエージェントは中国で育つ可能性は先ずないのです。

しかし、それでも広告に支払うお金は猛烈な勢いで伸びます。
どんな広告会社が伸びるかというと、
新しい媒体を企業化して、
多くの企業が喜んで広告料を支払ってくれるような媒体に
育つことが条件です。
アリババやテンセントや百度が
猛烈な勢いで好業績をあげているのを見てもわかります。
ではその勢いに押されて他の広告媒体は衰退するかというと、
新聞の広告会社はほかに手を出さないので
かなり勢いを失っていますが、
大賀伝媒のような屋外広告専門店は
前にも紹介したように
「動く立看板」がやっと採算ベースを突破して、
ことしから利益を拡大できる体制に入りました。
1年目は1万2千元、2年目から2万元の利益をもたらす
「動く立看板」が6千個をこえるところまで到達したのです。
その動く立看板に公共料金の支払いのできるシステムを
銀行と共同で開発したので、
手数料収入を銀行と半分わけする収入がプラスされたのです。

最近、シンガポールの政府系広告業者が
そこに目をつけて資本参加をするようになったのも
この中国式広告業の新しい将来性を見込んでのことときいています。
ですからガマンしきれずに皆投げたところから
広告業の新しい時代がはじまると、二股をかけているところです。


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2008年4月10日(木)

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