中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2975回
いまやっと人手不足がはじまったばかり

バンコク経由で、
マダガスカルとモーリシャスに一走りしてきたので、
10日間ばかり留守をしてしまいました。
留守中にどうせ大きな変化はないだろう
とタカをくくっていましたが、
オリンピックの聖火を走らせているさなかでもあり、
中国じゅうの新聞が
中国経済の動向に神経を尖らせていると見えて、
出発前、上海に滞在していた私のところへは広州日報が、
またマダガスカルから上海へ帰ってきた私のところへは
香港経済日報がそれぞれインタビューにとんできました。

どちらも大部数の読者を抱えた媒体ですが、
共通した最大の関心事は、
いまの中国経済は
はたしてバブルのさなかにいるのか、
いるとしたら、次にどういう変化が起るのか、
ということに集中していました。
それに対して、私はまだまだバブルとは言えない、
バブルがはじまったとしても、まだ2合目か、3合目で、
これから中国経済は一回りも、二回りも大きく成長するから、
変化にうまく対応する必要はあるが、
大筋では心配はないと強調しました。
日本ではオリンピックが終わったら、
中国の景気も低迷期に入るという見方が多いようですが、
実際にいま中国全土で起っていることは人手不足と
それによる人件費の高騰です。
なかでもレストランなどのサービス業や
警備員や道路工事などの労働者は引く手あまたで、
やとったと思ったらすぐいなくなってしまいます。
労働者不足による企業倒産が深や上海で
次々と起っています。

それは不景気の前兆ではなくて、
所得水準の向上と内需の増大を約束するものです。
その上に、輸出の不振をカバーする予防措置として
公共投資に力が入るところですから、
オリンピックのあとの方がいまよりも、
経済を押し上げる力が大きく働きます。
従って、株価の調整期はまだ半年くらいは続きますが、
秋口から本格的な景気の上昇がはじまると私は見ています。
それまではまだ株価の低迷が続きますが、
実はご自分の持ち株の調整期でもあります。
ここで間違えないことが何よりも大切なのです。


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2008年5月2日(金)

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