中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2976回
発展途上国の汚職道路を走ってきました

どうしてマダガスカルみたいな辺鄙なところへ行くんですか
とよくきかれました。
小学校の地理の時間に、世界地図をひらいた時から、
どうしてだか、一生に一ぺん行ってみたいと思って、
ずっと心の中で温めてきた宿願の一つだったのです。

旧フランス領土だったし、行くとすればフランスに行って
そこから飛行機に乗らなければならないだろうと思っていたのが、
首都のアンタナナリボと
バンコクをつなぐ航空ラインがあることを知って、
急にいても立ってもいられなくなったのです。
邱友会の人たちにきいて見たら、
行きたいという人が意外にも多くて、
たちまち40名もの人が集まってしまいました。

バンコクから乗り継ぐと言っても、
帰りは上海で常茂生化の見学に行くので、
バンコクまで中国の飛行便を利用しないと、
航空運賃だけでも法外なことになってしまいます。
そこで成田と関空から上海に飛んで、
上海でバンコク行きに乗り継いで、
更にバンコクで真夜中にマダガスカル航空に乗って、
翌朝早くアンタナナリボに到着します。
しかし、マダガスカルにしかいない
お猿の珍種キツネ猿を見るためには
さらに西にあるモロンダバに飛ばなければならないので、
誰でもヘトヘトになってしまします。

しかもそこに2日間、泊っていた間にバスがなくて、
10台やとって分乗した4WDを走らせたのが稀代の悪路で、
コンクリートがはがれて落ち込んだ凸凹路を
片道3時間かけてお目にかかったお猿さんやバオバブの木よりも
見に行った人間の数の方が多いというていたらくでした。
この悪路は国が貧乏で予算がないというよりも、
予算が途中で消えてなくなって
現場まで届かなかったからに違いないと値踏みしました。
汚職道路は中国にもありましたが、
中国ではいまは様相一変して
超モダンの高速道路に変わっています。
それに比べると、
ODAの予算は無駄遣いが多いなあというのが
発展途上国の土を踏んだ私の第一印象でした。


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2008年5月3日(土)

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