中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3009回
レクサス600なら運転手つとまる人は

ロールス・ロイスをやめたのは
年をとってケチになったからではありません。
子供たちも
いまさらケチケチして
私たちにお金を遺してくれたって仕様がないのだから
買え買えとすすめてくれたのですが、
新しいロールスは車体が長すぎて
我が家の車庫にもオフィスの駐車場にも入らないのです。
家の車庫はシャッターを少し外へ出せば何とか入りますが、
事務所の駐車場は道にとび出してしまうので打つ手がありません。

ロールス・ロイス会社の新しいオーナーになった
BMWの経営者たちは
白バイに追いつかれないような
超高速の自動車をつくるのは得意ですが、
ロールス・ロイスを買ってくれる人は皆、
ご殿のような家に住んでいると錯覚しているらしく、
おかげで日本でもロールスの新車に
めっきり出会わなくなってしまいました。
値段の問題ではないのです。
いまの新車は1台が4300万円で、
10年前に比べて1300万円ほど高くなっていますが、
目をつぶって清水の舞台からとびおりる積りになっても、
ガレージに入らないのではあきらめるよりほかありません。

たまたまロールスより
こちらの方が長生きすることになってしまったので、
ベントレーからベンツから新しいレクサスまで
一通り見てまわりましたが、
修理にお金も時間もさしてかからない
日本の車に乗って見ようかという気を起してしまったのです。
注文から納車まで何と6ヶ月もかかってしまいましたが、
カーナンバーをとるのに、
早くから順番待ちをしてもらいましたので、
ロールスの時と同じように
93という私のナンバーが手に入りました。

レクサスの乗り心地はロールスに比べるとかなりおちますが、
燃費はロールスが2キロしか走らないのに対して、
10キロも走ります。
それよりも私にとって一番嬉しいのは
ロールスの運転手は人を選びますが、
レクサスなら私の秘書でも気軽に運転ができることです。
そう言えば、レクサスの運転もできて、
私の東京の秘書もつとまるような
30才前後で向上心のある若者はいないものでしょうか。


←前回記事へ

2008年6月5日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ