中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3029回
消防は都市高層化時代の成長産業です

四川大地震がきっかけになって、
中国の不動産を買う人に耐震構造に対する観念があるようになれば、
何年頃に建てられたもので、
どんな業者によって建てられたものかによって、
不動産の取引価格にも違いが生じてきます。
不動産業者も
そうした顧客の要求を考慮に入れなければならなくなるし、
建物によっては解体して
はじめからやりなおしということも起ります。

しかし、不動産の急激な値上がりに対して、
ブレーキをかける政府の政策は今後もずっと続くでしょうし、
建設業者は建設費用を抑えながら利益をあげようとすれば、
どうしても高層化は避けられなくなります。
北京や上海のような大都市だけでなく、
各省都をはじめ、百万都市に至るまで
高層化はこれからの建設業に必らず起ります。
その場合、
耐震と耐火の設備に対する政府の要求はますますきびしくなるので、
耐震構造に続いて、
防火設備にお金を使わなければならなくなります。
恐らく今回の大地震以後、
実は地震にならなくとも要求されていることですが、
政府の命令もきびしくなりますし、
政府自身も耐震防火のために
もっと多くの予算を組む必要に迫られます。
私は環境汚染防止のために環境銘柄が
成長産業のトップを占めるようになるだろうと力説してきましたが、
消防は、毎日火事に見舞われるわけではないとしても、
その一端に位置している公共投資銘柄に属していると見ています。

但し、私が話題にしているのは、
それこそ10年もかかって起ることで、
明日にも株価が倍になることを狙う人たちの
投機の対象にはなりません。
中国消防を私はそうした公共投資銘柄の一つにあげましたが、
地震のために予定の操業が半年遅れたときかされても、
「あ、そうですか」と笑って頷くだけです。
安くなれば、いつナンピンをかけるかを考えます。
いまはナンピンのタイミングも
そんなにあわてることはないという環境です。
そういう息の長いやり方にあわない人が
私のマネをすると損をしますから、
おやめになった方がいいのではないでしょうか。


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2008年6月25日(水)

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