中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3041回
株を買う時はガマンのできる体制で

株はびっくりするほど下がりましたが、青くなることはありません。
下がったのはあなただけでなく、
株を持っている人の株が全部下がったのです。
株価はもともと壁に描いた餅みたいなもので、
そのままでは食べられませんし、
下げた時にお金に換えようとすると小さくなっていますが、
緊急の要がなければそのままにしておけばいいのです。
しばらく昼寝でもしておれば、
また元通りになっていることが多いし、
場合によっては買った時よりずっと大きくなっていることも
珍しくありません。

そういう変化があるので、私はどんなうまい話があっても
「借金して株を買うな」とくりかえし言ってきました。
証券業界では、欲の皮の突っ張った人に
もっと売買手数料を払わせるために
「信用取引」という制度を設けて、株券担保に売買をやらせますが、
自分の資力を越えて取引をすると、最悪の時に返済期限が来て、
返済のために全財産を失うことがあります。
その点、自己資本の範囲内なら、
ジッとガマンさえすればいいのですから、
自分の信念を貫くことができるのです。

香港株や上海B株、深圳B株の場合、
いまのところ信用取引がありませんので、
借金で首のまわらなくなる心配はありませんが、
このコラムを見ている人たちの中には新入りも少くありませんので、
株が下がると真青になって投げ売りをくりかえす人が出てきます。
そういう人がいるからこそ安値で株が拾えるのですが、
暴落の時に株を売る人で株をやって産をなす人は先ずありません。
安値で売るくらいですから、安値を拾う勇気は先ずありませんし、
やっと安心できる相場になってから株を買うとすれば、
高値で株を買うことになってしまうからです。

ですからとりあえずは下がっても株を売らずに
じっとガマンをすることです。
持株が牢屋に入れられていると思えばいいのです。
私がいつも言う「株の儲けはガマン料」は
これから年期明けになって株が上がりはじめたら、
なるほどと理解してもらえるのじゃないでしょうか。


←前回記事へ

2008年7月7日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ