中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3042回
買株を割れば皆、安定株主に

株をやる人は大抵が自分の買値にこだわります。
時価が買値より高くなると、
儲かったといってニコニコ顔になりますが、
反対に買値を割ると途端に渋い顔になります。

ですから株は安いときに仕入れればよいのですが、
安い時はもっと安くなるんじゃないかと
疑心暗鬼になって手が出ません。
同じその株が値を上げはじめると急に出来高がふえます。
ということはもっと上がるんじゃないかと考えて
株を買う人がふえるということです。
つまり株は安値で買う人は少いが、
高値になると買う人がふえるということです。

しかし、買う人がふえると、
どこかで必らず天井を打ちます。
それが反転して値下げをはじめると、
大抵のきっかけは株式市場の相場全体に起ることですが、
次々と狼狽売りが出てきます。
そういう狼狽売りをする人は、
損を少めにすることと、
下値でもう一度拾いなおせば、
少くともその差額だけは取りかえしたことになるんじゃないかと
虫のいいことを考えます。
でも狼狽売りをする人が底値で買い戻すだけの
勇気を持ち合わせているとはとても思えません。
そういう人は本当は株式投資に向いていませんが、
株式市場には結構そういう人がたくさん出入りしています。

そういう人は別としても
大半の人は株が下がって自分の買値を割ると、
ピタリと株を売り止めにします。
株が下値に強いのは、
自分の買値を割ると途端に売らなくなる人が多いからです。
但し、それが買値に戻るのに
どれだけの歳月を必要とするかは未知数です。
好運にして喪に服する時間が短くてすみ、
あと何倍にも上げてくれればいいのですが、
大抵は塩漬けになってガマンをする時間が長くなってしまいます。
それは牢屋に入っているようなものですから、
人は案外、辛抱強くこらえます。
問題は刑期満了になって、
自分の買値より上に戻った時です。
どこまでガマンできるかというのは、
牢屋に入っていた時のことではありません。
自由に行動できるようになってからが
本当のガマンの士所になるのです。


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2008年7月8日(火)

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