中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3043回
戻り足になった株はすぐ売るな

いまここで株価が自分の買値に戻ったあと
どうするかについて論ずるのは少し早すぎます。
やっと買値を割ったところで、いつ戻すか考えるよりも、
どこまで落ち込むか、ヤキモキしている人の方が多いでしょうから。

でも株は下げれば、必らずまた戻すものなのです。
だって人間は今後も生き続けるし、
株式市場だって株主はあれこれ入れ代わるでしょうけれど、
株の売買は今後もずっと続くのですから。
従って、株価の低迷するところで考えるべきことは
(一)どんな株に人気が集まり、株価が上昇するか
(二)どんな株が取り残されて、その中に自分の持株があるかどうか
ということになります。
もし次の相場でも立ち上がりが遅く、
斜陽化する株を持っているとすれば、
下値のところで、同じ下値にあって
早く駈け出してくれる株に入れかえればいいわけだし、
損を出すのは悔しいけれども、
損切りをしなければ戻り足はもっと遅くなってしまうからです。

幸にして持株の中に買った時と同じ信念でつきあえる株があれば、
それはいずれ買値を突破して
いつか売りに出せる時期が必らず来ます。
牢にとじ込められていた時期が長く、
しかも途中で仮釈放されるチャンスがあったにも拘らず
優柔不断なために何回もしくじった過去があると、
今度こそとばかりにさよならをしがちなのが人間なんです。

ところが、事は意に反して
いままで地を這いまわっていた鳩が
いきなり天高く舞いあがるようなことが起ります。
どうしてかというと、
「格子なき牢獄」に入っていた間に、
エネルギーをしっかりと貯め込み、
もっと遥か上空までとびあがるだけの実力を
身につけていることが多いからです。
そういう株は何かを見分けるのが
これから半年の間に私たちのやる仕事であり、
はたしてその通りになるかどうかは
実際に起ってみないとわかりませんが、
もし空高くとびあがる株が見つかったら、
牢から出た途端に手を放してはいけないのです。
つまりどの株が
空高く舞いあがるだけのエネルギーを蓄積しているかを見分けるのが
これからの私たちの仕事なのです。


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2008年7月9日(水)

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