中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3067回
小さな資本で予想外の成果も

お金のない時は、一等地に店を出すことができませんから、
どうしても権利金の少くてすむところか、
家賃の安いところですませようとします。
すると思うように集客できませんから、
業績をあげるのに時間がかかります。
しかし、努力の甲斐あって、
また次の店を出そうかというところまでこぎつけると、
次はロケーションにもうんと気を使うし、
少々お金がかかっても
お客の入り方が違うことがわかっていますから、
もっと効率のあがる方法を考えるようになります。

成都の焼肉屋の場合も、
一軒目は2万人も学生のいる大学の正門に近いところでしたが、
二軒目は住宅街をうしろに控えた
レストランのズラリと並んだ通りの中を選びました。
そして三軒目は、伊勢丹、イトーヨーカ堂と並んだ一角の
最高のロケーションでしたから、
他の二軒と違って昼間からお客で一杯になります。
一軒また一軒と新しい店をつくる度に
新しく教えられることがあって、
次はこんなことにも頭を使わなくっちゃと闘志が湧いてきます。

三軒つくるのに凡そ800万元の人民元がかかりました。
途中で四川省の地震もありましたから、
若干の遅れも出ていますが、
三軒合わせて年間に
360万元くらいの利益目標を達成できるところまで到達しました。
もし確実にそれだけの利益があがれば
その10倍の資産価値のある企業体をつくりあげたことになります。
つまり3600万元の資産価値のある企業体になった
ということですから、
約2年間で、4倍の資産価値のあるものをつくり出したのです。
本人にとっても、周囲からジッと見ていた人にとっても、
とても素晴らしい成果と言っていいでしょう。

しかし、ここで一息つくと、たちまち油断大敵です。
サービス業には休んでいるヒマなど片時もないのです。
今日も昨日と同じことをやっていてはいけないし、
今日の明日も今日と同じことをやっていては
お客に飽きられてしまうのです。
お客の方がそのことをよく知っています。


←前回記事へ

2008年8月2日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ