中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3068回
皆で新四川料理を工夫しよう

毎日が勉強というのがレストラン業です。
ところが、毎日、同じような料理を出して
それが当り前と思っているのもレストラン業です。
とりわけ自分たちが工夫してつくった料理が
お客に受け入れられると、
それでいいんだとつい安心してしまう料理人がたくさんいます。

私はレストラン業や料理人はそれではいけないと思っています。
お得意さん、常連客がそれを一番よく知っています。
しょっちゅう来てくれるお客は
毎日、同じよう料理を食べていると、
この店の人、まるで研究心がないなあとすぐにわかります。
反対に同じ看板で
毎日、同じような料理を出しているように見える店でも、
主人や料理人に研究心があって、新しいメニューをつくったり、
料理の味を微妙に変えたりすると、
この店は人を飽きさせない店だな
と意外に高く評価してくれるものです。

ですからタカが牛々福(ニューニューフー)という焼肉屋でも、
開業と共に私がマネージャーの金君にアドバイスしたことは、
「毎日毎日、工夫を重ねて常連のお客が来た時、
それとわかる新しいメニューを出すように」ということでした。
金君はそれを忠実に守っていますので、
お客の方がこの次はどんな新しい物が出てくるのかな
と期待に胸をふくらませます。
大したことでなくともそれがお客の好奇心をそそるのです。

しかし、一人で考えたのでは着想に限りがあります。
ですから金君は三軒の店のコックを集めて、
毎週、新しい料理のコンクールをやります。
新しいアイデアを出して採用された人に
何かご褒美をやっているようです。
そのせいで2カ月に一ぺん、私が店に顔を出すと、
必らずのように新しいメニューが待ち構えています。

そうした努力にヒントを得て、私は新しい宿題を出しました。
それは四川料理のヌーベル・キュイジーヌを皆で工夫することです。
上海料理でもなく、広東料理でもなく、
新四川料理というところがミソです。


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2008年8月3日(日)

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