中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3070回
若い料理人で伝統料理に革命を

ではどうやったら、昔からある伝統料理に
新しい波をもたらすことができるのでしょうか。
日本でもそうでしたが、
中国でも家が貧しくて勉強のできない子が
都会へ丁稚小僧に出され、
出された先が偶然、食べ物屋だったりすると、
料理のやり方を覚えて料理人になってしまったものです。
その大半が舌や頭の回転のよい人たちではありませんから、
教えられたことをくりかえすだけの職人として一生を終わります。
その中から稀に天才的な才能を持った料理人が現われて、
選ばれて名コックになるのです。

その点、ヨーロッパでは食生活が重んじられ、
料理人の社会的地位が時代と共に
広く認められるようになったので、
ヨーロッパに料理の修業に行く日本人の中には
大学出や専門の料理学校出身者も珍しくなくなり、
日本のシェフやソムリエの地位も昔とは一変してしまいました。
中国でも料理の専門学校も各地にあるようになりましたし、
四川省もその例外ではありません。
現にうちの焼肉屋で働いている青年たちも、
その殆んどが料理学校の出身だったり、
四川料理屋で働いた経歴を持っています。

その中からはたして何人、
四川料理のヌーベル・キュイジーヌのチャンピオンが輩出するか、
予断を許しませんが、
うちの金総経理は毎週1回、
四川省で一番たくさん採れる生鮮野菜や肉や魚を材料とした
料理のコンクールをすすめることになっています。
味つけをする香辛料や醤の類も
他にも見られないくらい豊富なところですから、
四川省でないと考えつかないような新しい四川料理が
その中から生まれる可能性がないとは言えません。
新しい麻婆豆腐、新しい豆腐料理、新しい鍋巴(おこげ)料理、
新しい樟茶鴨(お茶の葉でいぶした家鴨)の料理と
夢は無限に拡がって行きます。
とりわけ新鮮な野菜の安くて美味なところで、
しかも、そうした努力をした先輩の実績もありますから、
次の成果は期待していいのではないでしょうか。


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2008年8月5日(火)

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