中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3072回
祭りより祭りの後の実力が見たい

私は北京にマンションを持っていますが、
オリンピックの間は北京にいません。
うちの者も誰か行くかと思ったら、
誰も行きたいと言わないので、
オリンピックの間中、空けっぱなしということになります。
北京のホテルはどこもふだんの3倍もホテル代をとるというのに、
本当にもったいないですね。

オリンピックは体力を競うゲームのお祭りです。
体力で何秒を争うことに私は興味を持っていませんので、
テレビでだってわざわざ見たりしません。
ましてやお互いに殴りあって
どちらが殴られて先にぶっ倒れたか、
私にとってはどちらでもいいことです。

もちろん、世の中にそういうことに血の湧く思いをする人が
たくさんいることは承知しています。
どこの国の人が一番金メダルをたくさんもらうかも
大体、見当がつきます。
どうしてかというと、
世の中に利口とバカがどんな割合で存在しているか、
私なりに見て判断しているからです。
昔も今もその割合が大体、同じだし、
国によっても、民族によって、大体同じじゃないかと見ています。

それと同じように、体力のすぐれている人も、
上手に歌をうたうノドを持っている人も、
ピアノをうまく弾ける人も、
また体力で人に抜きん出て優れている人も
大体同じ比率だと見ています。
もしそうだとしたら、
オリンピックで一番金メダルをたくさんもらえるのは、
人口が一番多い国に決まっています。
自分の国でオリンピックを開催しているとか、
応援する人が一番多いからということとは関係ありません。
人口が多くて、生活のレベルが向上していて、
スポーツに多くの人が関心を持つようになれば、
その分、確率が高くなりますから、
主催国である中国がいい思いをするのは
はじめからわかったことです。
それでも成績に一喜一憂するゲームが
いよいよ明日から北京ではじまります。
でも私が本当に興味を持っているのは
お祭り騒ぎよりは「祭りの後」です。
力量を問われるのは祭りのあとのその国の実力です。


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2008年8月7日(木)

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