中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3073回
今日から中国の新しい時代が

とうとう北京オリンピックが今夜の8時からはじまります。
中国人の好きな八という字は末広がりという意味があるので、
2008年8月8日午後8時からのスタートになったのです。

ここまで辿りつくのに、
中国の要人たちはかつてないほど神経をとがらせ、
しんどい思いをしてきました。
でも何が起っても、オリンピックの日は必らず来るし、
幕をおろす日もやがて来ます。
そのために北京のレストラン業者は
かつてないほどきびしい監督を受け、
罰金をかけられたり、営業停止をくらったり、
大へん辛い思いをさせられましたが、
無事オリンピックが終われば、
やがて庶民に威張りちらしたお役人が
監視監督される番になるでしょう。
なぜならば、オリンピックを契機として、
中国はもっと経済の発展に力を入れなければならなくなり、
経済が発展すると人々は一段と豊かになるけれども、
政府に注文をつけることも多くなる筈だからです。

お役人に対する民間の監視も一段ときびしくなって、
甘い汁を吸うことも難しくなるし、
大して収入のないお役人よりも
実業界で働く方を選ぶ人が多くなりますから、
お役人のなり手もいよいよ少くなります。
つまりお金の新しい動きが
中国の民主化にも手を貸すようになるのです。

日本ではオリンピックを境に、
中国が不況に見舞われ、政府が崩壊するぞ
と極論するジャーナリズムさえ少くありませんが、
暴動によって政府が転覆する可能性は先ずありません。
環境の変化によって
政府がその姿勢を変えるチャンスがいよいよふえますから、
それが人民政府の民主化につながって行くのです。
アメリカのようなデモクラシーが
政治の理想という日本人の先入観は
アメリカが経済の失墜と
世界警察の親分としての信頼性を失うことによって
かなり減点されるのではないでしょうか。

そう言った意味でも北京オリンピックは
世界の諸国番付を大きく変える
ターニング・ポイントになると私は見ています。
4年毎に世界中がどう変わるか、
よくごらんになって下さい。


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2008年8月8日(金)

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