中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3085回
中国経済のお金の流れが変わります

オリンピックが終った後の中国はどうなるかを
真剣になって考える時期がきました。
中国に悪意を抱く人たちは北京政府の
崩壊まで視野に入れた予想をしていますが、
その通りにならなかったら、
どういう言い訳をするのでしょうか。

私はかなり前からオリンピックのあと、
中国は景気の落ち込みを防ぐために、
公共投資と国内消費に力を入れるようになり、
株価もアメリカとは一線を劃して
独自の動きをするようになると予想してきましたが、
もちろん八月から息もつかずに
それがはじまると言ったわけではありません。
まだサブプライム・ローンの余波は
完全におさまっていませんが、
日本政府のようにバブルのはじけた後も
そのまま放置しておくのではなくて、
政府資金を使ってでも、
政府が先頭に立って解決する姿勢を見せれば、
秋には最悪の状態が峠をこします。
うまくピントが合うかどうかわかりませんが、
石油の値上がりがおさまれば、
商品相場に対する投機熱も一山越しますから、
株式市場も小康を得るようになります。

しかし、一旦落ち込んだアメリカの景気は
そう関係に戻りませんから、
世界の投資資金はあまりダメージを受けなかったところに
少しずつ資金を集中するようになります。
アジアで金融不安に見舞われているのは
ベトナムくらいなもので、
日本もさほど消耗していませんし、
中国に至ってはアメリカの不況のとばっちりを受けて
輸出にかなりかげりが見えますので、
これ以上、落ち込むことを防ぐためにも、
金融引締めを解く口実が出て来ます。
そうした動きが出はじめるのが十月頃かなというのが
私の予想だったのです。

はたしてその通りになるかどうかはその時が
来て見なければわかりません。
仮にそれが遅れることがあったとしても、
オリンピック前と後とでは中国経済の置かれている
客観的な位置が違います。
各企業のふところ具合が違えば、
株価にも反映されますから、
私たちとしても再検討をして見る必要があるのです。


←前回記事へ

2008年8月20日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ