中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3092回
何が成長産業かを先ず気にします

山東省の上場企業見学の最後の2社は
寿光市にある山東墨龍と、臨沂市にある山東羅欣です。
2社とも私が注目してしばしば取りあげたことがありますので、
お馴染みの方も多いと思いますが、
2社とも私が自分で訪問して現場を見、
「中国の経済が次の発展の段階に入った時、
かなり成長が見込める会社です」と記述したのに対して、
かなり嘲笑まじりの投書をされたことがあります。

山東墨龍はご存知のように、
石油採掘用のパイプとそのパーツの製造をしているメーカーで、
行く前に私が想像したよりは
ずっと意欲的な生産設備を整えており、
すでにシームレスのパイプに着手していました。
私はかなり昔に住友金属の工場の見学をしており、
シームレスがどんな技術であるかというくらいのことも
大体わかっていましたが、
私が新技術に意欲的な会社だと褒めると、
住友金属のシームレスを知っているのかと
私にくってかかった人もいました。

私は中国に行くようになってからも、
できるだけ工場見学をするようにつとめていますが、
中国じゅうあちこち歩いて
この会社ほど設備の改善と拡大に熱心な会社を
見たことがありません。
ですから1株を5株に株式分割した上に、
大へんな勢いで設備投資をしているのを見て、
一時的に1株当たりの利益が下がっても、
何しろやっている仕事が石油の掘鑿で、
世界の経済の発展と共に真っ先に必要なものですから、
3年単位、5年単位で考えたら、
おそらく中国でも10本指の中に入る成長企業だと直感しました。
ですから、人がどう言おうと、バカにしようと、
自分の評価を変えることなく、
下がれば下がるほど、それこそ
「女房を質に入れても」買い続けている株の一つです。
何しろあれから石油がバカあげにあげてきました。
原料の鉄があがって、
人民元があがってどうやって輸出採算をとるのか
と気にする人もありますが、
繊維製品の輸出とはわけが違います。
商談ごとに値段を調整するのがこの種の取引であり、
ロシアとの取引でもそうなっている旨、最近発表がありました。


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2008年8月27日(水)

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