中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3106回
セールスマンの意見をきくな

私の「株式投資三原則」のトップに来るのは
ちょっと申し訳ないのですが、
株の売買をする時は
「証券会社のセールスマンの意見をきくな」と言うことです。
誰だってはじめて株をやる人は株について
ほとんど何も知らないのですから、
どんな株を買えばいいのか、
つい口座をつくりに行った証券会社の人にきいてしまいます。
取引についての手続きについてきくのはいいのですが、
一番ききたいことは本音を言えば
「どんな株を買ったらいいのですか」ということです。

人間は誰でもついその近くにいる人が
一番よく知っていると思いがちです。
毎日、株式取引のど真ん中にいて
毎日その動きを見ている証券会社の人が
株のことを一番よく知っていると早合点してしまいます。
しかし、よく考えて見て下さい。
もし証券会社に勤めている人が
株のことをすぐにも覚えこんでしまうとしたら、
その人はたちまち株で大儲けをして大金持ちになって、
証券会社のカウンターの前に座っていない筈です。
このことはセールスマンだけでなく、
奥の方に座っている支店長さんだって、
本社の重役さんにだって言えることです。

では毎日、証券を扱っているのに
どうして株のことがわからないのかというと、
証券会社の人は海のそばに立って毎日、
海を眺めている人のようなものです。
浜辺にいると目に見えるのは波ですから、
今日は波が高いな、今日の海はバカに静かだな
ということにはすぐにも気がつきます。
でも海の中を流れる潮の流れがどうなっていて、
魚の大群がどこにいるかは見えないのです。
そういう人に魚のとり方をきく方が
どうかしているということになります。

ですから自分で魚のとり方を覚えたい人は
浜辺に立って海に入ったことのない人に
魚の居場所をきいてはいけないのです。
これは株をやる人の守るべき鉄則です。
そういった意味でいまは
自分からすすんで海に入りたい人が
行動を開始する良い時期なのです。
ところで今回で「もしもしQさん」の連載が
一冊分の分量に達しました。
明日から新しいテーマに移りますので、
続けてご愛読ください。


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2008年9月10日(水)

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