中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3110回
同じドル建てでも新しい動きに

ドル建てで商売をやっている人は
そう簡単にドルから卒業できませんが、
株を買うとか不動産を買って長期に保有する人は、
ドルで評価される財産はなるべく避けた方がいいと
私は思っています。
なぜならば、ドルは他の通貨に比べて
弱くなる方向にあるからです。

私がそう言うと、
それじゃ上海B株はどうなんだ、
香港ドルだって米ドルとペッグ制になっているんだから、
どうなんだと反論する人があります。
私が言うドル建て資産とは、
たとえばアメリカの株や不動産のことであって、
香港で売買されている中国株のことではありません。
香港で上場されている中国株は香港ドルで売買されているし、
上海に上場されている上海B株は米ドル建てになっていますが、
買っている中身は中国国内で事業を行っている会社で、
取引も人民元でやっているし、利益も人民元で計上されているし、
持っている資産も人民元で表示されています。
ですから、人民元が米ドルや香港ドルに比して切り上がれば、
その分、値上がりするもので、仮りに直ちにそうならなくとも、
そういう動きをするものと考えてよいでしょう。
米ドル建ての上海B株は早かれ遅かれ、
いずれ統合される運命にあるし、
香港株の場合は、
米ドルにペッグされているのが人民元に変わることもあるし、
ペッグされているレートが調整されることも
考えられないことではありません。

仮りにそういうことが全くないとしても、
いまのレートのもとで値上がりすればいいのですから、
値上がりする条件は何か、
その条件を充たす株はどんな株かを正確にキャッチすることです。
そういう角度から見れば、
香港株はアメリカの動向に左右されるよりも、
中国経済の動向を反映するものです。
サブプライム・ローンの後遺症は恐らくそう簡単には片づかず、
まだ当分、後を引くでしょうが、
もうしばらくしたら中国株はアメリカ株と違った
独自の動きをするようになることが考えられます。
それがこの次に起る新しいアジアの株の動きであると見ています。


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2008年9月14日(日)

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