中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3115回
上海の日本人は五万人、韓国人は五十万人

日本人と中国人は外見をみただけでは
ちょっと区別がつきませんが、
喋らせればもちろん、すぐにわかります。
服の着方や車の運転の仕方をみてもわかります。

しかし、一番大きな違いは日本人が
グループの中の一員として行動するのに対して、
中国人はグループをだし抜いて
自己中心に行動することです。
そのために日本人は一人で外国に移住する人が少なく、
外国に行く場合も会社に命令されて行くので、
行った先で骨を埋める人が少く、
行く前からあといくつ寝たら帰れるか、
と指折り数えるような外国暮らしをしています。

それに対して生まれ故郷にいても
食うや食わずの環境におかれていたこととも
関係がありますが、
中国人は祖国をとび出して外国に出稼ぎに行き、
そのまま異郷に根をおろします。
世界中どこに行っても、
中国人のいないところはなく、
中国料理店がないところもありません。
華僑と呼ばれる人が五千万人にものぼる
と言われていますが、
そういう人たちが外国で財をなし、
先覚者として祖国に戻ったり、
祖国に投資をしたりして、
中国大陸の経済成長に大きく貢献しています。
近代化では中国は日本の後塵を拝していますが、
日本には華僑のような外国で
大きな経済力を持った同胞は存在していません。

それは日本人がグループで集まり、
手に職を持って日本を工業国に
仕上げて行ったこととも関係があります。
会社もそうした技術と貯めたお金を持って
ロシアやインドやブラジルあたりまで
工場進出をすることは間違いありません。
しかし、自分一人ででも怖がらずに
海外進出する人はそんなに多くはありません。
上海を見たらわかります。
恐らく世界のナンバーワンになる大都会なのに
日本人はたったの五万人です。
それに対して韓国の人が五十万人、
台湾人は何と百万人です。
これを見ても日本人がいくらドルを貯め込んでも、
この次のドルの投資の仕方が中国人と
根本的に違うことがわかります。
日本人は自国でやっていることの
延長線上でしかお金を使うことのできない
慎重な環境に育っているのです。


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2008年9月19日(金)

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