中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3142回
日本の銀行よ、新興国に進出を

いまの日本で銀行が融資をしても
かなりの部分が焦げついてしまいます。
東京都の銀行が大赤字になっているのを見たらわかります。
だからタダに近い利息で集めたお金でアメリカの債券を買ったり、
禿げ鷹たちに融資をしたりしたら、
日本の優良企業や不動産の買い占めに使われるのがおちで、
日本の産業を振興する役には立ちません。

日本の場合は既に生活環境も充実していて
生産を拡大する余地が少いのも事実ですが、
政府が先頭に立って
国内消費の拡大に力を入れていないのは周知の通りです。
消費に力を入れずに金利だけ安くしても、
貸し倒れの心配がふえるばかりですから、
銀行が地元企業離れをするのも無理はありませんが、
お金を借りてくれたアメリカの禿げ鷹たちも
駄目だということになると、
銀行の立つ瀬がいよいよなくなってしまいます。

でも日本の企業も銀行も
これで店じまいというわけに行きません。
現に日本のメーカーや流通業者は
日本が駄目ならもっと採算に乗る新興国に引越しをしています。
「東京が駄目でも上海があるさ」ということで
工場や店を外国に移せば、
かつて日本国内でやったように商売が成り立ちます。
そのプロセスで銀行のはたすべき仕事があります。
ところが、銀行がそうした動きに追いついていません。
お金だけが出て行くのに、銀行が出て行かずに、
海の向うは外国の銀行の働き場所になっているのです。

日本企業の活躍舞台もグローバルな展開をやっている時代に、
日本円の働き場所は日本国内から動こうとしないのです。
このままでは日本の銀行は斜陽化してしまいます。
それがアメリカの銀行に誘われて
倒産寸前のアメリカに出て行けば
アメリカの銀行や証券会社の二の舞いを続けることになります。
そういうグローバル化ではなくて、
グローバル化する日本企業の
海外での付加価値づくりの面倒を見るのでなければ
日本の銀行は生き残れないのです。
そういう認識を
日本の金融業者のプロたちは持っていないのでしょうか。


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2008年10月16日(木)

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