中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3143回
アメリカ資本主義の終わりのはじまり

アメリカの金融不安は、10年前に私が予想したように、
最終的にはアメリカ政府に尻ぬぐいをしてもらわないと
解決がつかないところまで落ち込みましたが、
私企業の救済に公金を使うことに反対する
大義名分もバカにならないので、
もたもたがまだまだ続くようです。
そうしたニュースが流れる度に株価は新安値をつけていますが、
最終的に片のつかないことではありません。
失われたのは紙切れであって生産手段ではありませんので、
何百兆ドルなのか正確な計算はできませんが、
アメリカの政府が輪転機をフルに稼動させて新しいドル紙幣を刷り、
代わりに支払いをすれば片づくことだからです。

しかし、アメリカの銀行や証券会社に出資したり、
その債券に投資した人たちは
莫大な財産を失うような目にあわされますから、
銀行も証券会社も信用できなくなってしまいます。
私などはアメリカ式のやり方をはじめから信用していませんし、
投信を買うことにも賛成したことがありませんので、
直接の被害は受けていませんが、
それでも株式市場が大暴落をしたので、
それなりのとばっちりを受けています。
ですから被害の比較的少かった日本の銀行が
アメリカの銀行の救済に乗り出して
アメリカ流の「金で金を生む」経営にのめりこむことには
批判的です。
そんなことをやるよりも、商店街の面倒を見たり、
町工場の手形の割引をして土地の人から感謝される昔に帰った方が
人々から感謝もされるし、
堅実な商売もできるのではないでしょうか。

アメリカの方を向いて走るより
反対の方向に向いて国内産業の建て直しに力を尽した方が
人のためにも自分のためにもなります。
アメリカの景気の建て直しには
恐らく3年や5年はかかるでしょうが、
そんなにいつまでもアメリカにかかわっておられませんから、
被害の少かった国から
ニューヨーク取引所と違った動きがはじまると思います。
アメリカにとって
アメリカ式資本主義の「終わりのはじまり」になるところが
アジアの国にとっては「アジアの時代のはじまり」になるのです。


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2008年10月17日(金)

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