中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3144回
中国株も「選り取り見取り」の時期に?

或る時、ベニスで道を歩いていたら、
屋台でお土産を売っていたイタリア人の物売りが
「いらっしゃい。選り取り見取り」
と私に話しかけたので、
びっくりして思わず相手の顔を覗き込んだことがあります。
誰から教わったのかわかりませんが、
珍しい日本語を外国人に教える日本人もいるんですね。

お土産物だけが「選り取り見取り」かと思ったら、
最近はアメリカの金融不安のおかげで
世界中の証券市場が株安になり、
中国株までが「選り取り見取り」の時期になりました。
お金の貸し借りは連鎖反応を起すので、
アメリカの大銀行や証券会社が潰れそうになると、
ヨーロッパだけでなく香港や上海や台湾の株式市場までが
大騒動になるのです。
香港の上場会社の中には業績もよくて、
前年比利益が倍増している会社がいくらでもあるので、
株価が3分の1、5分の1、なかには10分の1まで
一瀉千里でころげおちてくる会社も珍しくなくなりました。
それこそ本当に「選り取り見取り」に近づいた
と言ってよいでしょう。

こうなったらもう底は見えてきましたので、
それこそ「選り取り見取り」で好きな株を選んだらいいと思います。
何を基準にして選んだらいいかと言いますと、
業績がよいのに、株式市場の大暴落によって
どう見ても下がりすぎの株にナンピンをかければいいのです。
株価の高い時は株価収益率が30をこえる株も珍しくありませんが、
株価が5分の1、なかには10分の1まで値下がりした銘柄も
1ツや2ツではありません。
もちろん、不況の影響を受けて
業績が前年に比べて半分まで落ち込むこともあり得ます。
そのへんの判断も必要ですが、
前年の利益と現在の株価で計算すると、
5倍とか、なかには3倍というのもあります。
一番大切なことは今後も
同じようなスピードで成長する業種であるかどうかですが、
過去の実績と睨み合わせて納得のできる株であれば
それこそ「選り取り見取り」ということになります。
鉄砲玉の尽きるのを心配する時期は
もうすぎようとしているのではありませんか。


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2008年10月18日(土)

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