中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3177回
味噌もクソも投げ売りの対象に

アメリカの一流銀行や証券会社は
これまで社会的信用があったので、
いくらでもお金を借りられたし、
貸す方も安心してお金を貸しました。
そうした金融機関が知恵を搾って売り出したファンドは
同業者だけでなく、一般の投資家からも
現金並みの扱いを受けました。
解約したり、換金する場合も、規約通りの扱いを受けました。

しかし、折角、投資した債権が
もしかしてパアになってしまうかも知れないとなると、
誰だって1日も早く換金して現金を回収しようと考えます。
それが1人や2人の人に起るのではなくて
一せいに起るとなるとパニック状態になります。
取り付け騒ぎを起して倒産するより
株の投げ売りをした方がましとなったら、
金融業者は一せいに投げ売りをはじめます。
それもアメリカだけでなく、
世界中で一せいにはじまりますから、
皆さんが株を買っているところで、
現に起っているようなことが起こります。
投資信託が投資の対象になると考えて
莫大な資金を投じた優良な株ほど
投げ売りの対象になるのです。

それもお金と債券と株との間で一せいに起りますので、
バランスが崩れたり、どこかでストップした途端に
倒産や騒動に見舞われます。
しかし、いずれもお金とお金のやりとりですから
実物経済とは直接関係がありません。
災いが実物経済まで及ぶのは、
損害を受けた側が生産や消費にまで
類を及ぼすようになってからのことです。
しかし、株や債券の上げ下げは
財産に大きな影響を及ぼしますから、
かかわった本人にとっては死活の問題につながります。
なかでも投資信託の投資の対象になった銘柄は
換金のために投げ売りされますから、
現に皆さんが直面しているように10分の1にもなれば、
20分の1になるまで売り浴びせされます。

すると投げが投げを誘いますから、
企業の業績に何の問題もない企業の株まで
連れションの仲間に誘い込まれてしまいます。
しかし、これでこの世の終わりが来たわけではありません。
次はどうなるかを研究する時期がやがてやってくるのです。


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2008年11月20日(木)

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