中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3224回
中国では売れる商品を工夫する人の勝ち

産業界のどこかの部門が不況になるのと違って、
銀行や証券会社のようなお金を扱う部門がピンチにおちいると、
たちまち多くの人々のふところ具合に響きますので、
大抵の人はすぐにも財布の紐を締めにかかります。
すると、贅沢品とか、お金のかかる商品とか、
美術品とかは忽ちお客が遠のきますから、
そういう商売をやっている人は
すぐにも物が売れなくなってしまいます。

今回はアメリカが震源地であり、
アメリカで一番値嵩の張る商品は自動車ですから、
ごらんの通り最大のピンチにおちいっているのが自動車業界です。
自動車が売れなくなればたちまち影響を受けるのは就職口であり、
失業者が巷に溢れてしまいます。
不況が不況を呼んで失業者がふえることは、
日本だって、中国だって変わりはありません。
でもアメリカと日本ではスケールが違うし、
中国になると人口は多くても自動車産業が産業界に占める
ウェイトはまだそんなに大きくはありませんから、
産業界全体の受ける打撃はアメリカほどではありません。

中国でも、もちろん輸出の不振から受ける影響はありますが、
産業界全体が登り坂にありますから
国内の消費がそんなに下がらなければ
成長のスピードもそんなにおち込まないですみます。
ですから最終的にはマイ・ホームとマイ・カーの回復まで
待つ必要がありますが、
さしあたりは輸入の減った分だけ
国内消費がそれをカバーできればいいのですから、
投資があまり落ち込まないように続けることと、
人々の消費意欲を刺激するような新商品の開発に力を入れれば、
成長率が5%まで
一挙に落ちることは先ずないのではないでしょうか。

つくれば売れる時代から何が売れるか、
真剣になって工夫する時代に入ったということです。
もともと中国人は利にさとい国民ですが、
安いところから仕入れてきて
高く売れるところへ持って行って売るのではなくて、
人が喜んでとびついてくれる商品をどうしたらつくり出せるか、
とり組む時代になったのです。


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2009年1月6日(火)

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