中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3231回
次の仕事場は生まれ故郷にこだわるな

金融不安からはじまった不景気が
実体経済に及ぼす影響がいよいよ避けられなくなりました。
アメリカの不況が一番深刻なのは当り前として、
日本も中国も大なり小なりその津波をかぶることになります。
現に私の周囲でも10年来、
1回も赤字にならなかった店屋さんがはじめて赤字に見舞われたり、
これ以上頑張っても昔に戻る可能性がないから
いっそ店じまいをしようかと考えている小売業者がたくさんいます。

店仕舞をしたら、たちまち生活に困る人もあれば、
いくらか財産があって
次に何をするか考えるだけの余裕を持った人もいます。
貯蓄のないサラリーマンなら
失業した途端に路頭に迷う人もあります。
どんな立場であろうと、
その人の対応を大きく左右するのはその人の年齢です。
40才をすぎた人と40才前の人では残された働く時間が違いますから、
同じ話を持ち込まれても、
きく耳を持っている人とそうでない人に分かれます。
もう人生も終わりに近づいた人と、
これからスタートしようとしている人とでは
対応の仕方が違うのは当然です。

しかし、年齢と関係なく、
先を見て生きる人と過去にこだわって生きる人とがあります。
私がいま話しかけているのは先を見て生きている人たちです。
今後、日本人が新しい世界に生き残るためには、
狭い4つの島にこだわっていてはいけないのです。
日本人が祖先から受け継いで来た資質と才能を活かす積りなら
日本国内にだけにこだわらないで、
自分がやりたいと思う事業や職業に一番向いた仕事場を探がして
日本以外のところに迷わずに出て行くことです。
生まれ故郷と自分が能力の発揮できるところは違うのです。
田舎の店をたたんだら、次に行くところは東京や大阪ではなくて、
昆明かハノイかも知れません。
何がはじまり、どういう道がひらけるかは
その時点ではまだわかりません。
そういう生き方を選ばないと生きて行けない岐路に
いまの若い人たちは立たされているのです。


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2009年1月13日(火)

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