中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3241回
コーヒー屋にパンとケーキは付き物

北京の三全公寓は
北京でも1、2を争う外人向けのマンションですが、
入口に門衛が立っていて、
入ってくる人や車をいちいちチェックします。
こんなところに店づくりをしても、
一般のお客はこわがって入って来ないから、
商売にならないだろうと言われました。
でも自分のところですから、家賃は自分で決められるし、
どこをどう直せばいいかも自分で決められます。

ですから1軒目はここにしましたが、
お客の席を20席くらいつくったとしても、
1日に100人もの人にコーヒーを飲んでもらうのだって
容易なことではありません。
毎日、平均してお客が入ることは先ずあり得ないし、
仮に50人の人がコーヒーを1杯飲んでくれたとしても、
1杯25元として1日に1250元、
月に3万7、8千元にしかなりません。
実際にはその半分ということもあり得ますから
人件費、光熱費どころか、家賃も出ないことになります。

昔、私が香港から東京に戻ってきた頃、
銀座で何とか馬車とか言った喫茶店をひらいた人が
自分でケーキをつくるだけの余裕がなくて、
お客さんがケーキを注文すると、
コーヒーを入れている間にご本人が走って
何軒も前の店からケーキを買ってきて出した
という話をきいたことがありますが、
北京と来たらケーキもパンもまずくて
こちらが走って仕入れに行くところがありません。
売り上げを倍にするためにも
ケーキとパンを自分でつくらなければなりませんが、
そうなるとお金だけでなく、
技術も工場のスペースも必要になります。
私には邱友会という組織があって
さまざまの職業の人が集まっていますので、
誰かパンとケーキを受け持ってくれる人いませんかと公表したら、
すぐに技術から資本参加まで承知してくれる人が見つかりました。
おかげ様で何とかスタートができましたが、
本当はそれからが大へんなのです。
どれ一つとっても大へんな知恵と工夫の必要な仕事ですから。


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2009年1月23日(金)

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