中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3243回
ひらいた店を片っぱしから閉店

Qコーヒーの1号店は三全公寓の中にひらきましたが、
三全公寓はケンピンスキー・ホテルと亮馬河を挟んで
その後に位置しているので、人通りはありません。
それでも日本から
美味しいケーキとパンをつくる人たちが来て、
毎日、新鮮な製品を提供していると
口コミで知ったお客さんが頻繁に来るようになりました。
でも採算に乗せるためには
次々と新しい店を展開して行く必要があります。

そう考えて担当者は秀水のショッピング・センターや
新しく建てられた外人向けマンションの1階に
次々と支店をつくって行きました。
そうしてはじめてわかったことですが、
中国の大家は店子の商売がどうなっているか全く考慮せず、
自分たちの都合で次々と契約条件を変えて行きます。
1軒目の秀水のショッピング・センターは
世界中のブランド商品のコピーを売るところで、
外人客が後を絶たないほど
観光客の押しかけるところですが、
政府の取り締まりがきびしてくて、
ショーケースの脇に店員の食べかけの
インスタント・ラーメンのお椀をおいただけでも、
申請外の食品を扱っていると言って罰金を課してくるし、
隣の喫茶店がまだ採算にも乗っていないのに、
約束の契約期限が来たといって
家賃をいきなり倍に値上げして追い出しにかかるし、
2軒目の高級アパートの1階は
店の前をパーキング・スペースにするからと言って
いきなり塀で囲んでしまうし、
そのあと店のオーナーと建築主の喧嘩が延々と続いて
いつまでたっても埒があきません。

北京では店先に貸店と貼紙のあるスペースを
うっかり借りたらひどい目にあうだけで、
100軒のチェーン店をつくるどころか、
ひらいたら片っ端しから店をしめて行くことになることを
いやでも思い知らされました。
中国を知らない人が日本からのこのこやってきて
商売をやったらどんな目にあわされるか、
私たちのように自分のビルまで持っていて
一通りのことはわかっている積りでも
さんざんな目にあわされるのですから、
中国で商売をやるのが如何に難しいか、
改めて思い知らされたのです。


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2009年1月25日(日)

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