中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3263回
自動車メーカーの生産基地が海外へ大移動

世界的な金融不安が実体経済にまで及んで
ただでさえ輸出が困難におちいっているというのに、
1ドル110円前後だった為替レートが
90円を割る円高になってしまったので、
輸出でもっていた日本の大企業は
軒並み大赤字におち込んでしまいました。

トヨタ自動車を筆頭にホンダ、日産など
アメリカで大活躍をしている日本の自動車会社は
軒並みアメリカのビッグ・スリーに負けず劣らず
大赤字におち込んでいるし、
ソニーや日立、東芝、シャープなど
半導体とかかわりのある家電メーカーは
業界自体が頭打ちになっているところへ
2割に及ぶ円高で往来ビンタもいいところです。

円高はいずれ円需要が一段落すれば
修正されることが考えられますが、
仮りに110円前後に戻ったとしても、
人件費をはじめ何かとコストの高い日本で生産を続けていたのでは
グローバル時代に競争に打ち勝って行けないことは
目に見えています。
ですから自分たちの活躍舞台を日本国内だけに固執せず、
日本人の技術と個性を持って
もっとチャンスの多いところに行って生かすべきだと
私はずっと言い続けてきましたが、
最近の自動車メーカーの新しく発表した計画を見ると、
トヨタもホンダも国内の生産をカットして
海外での増産に切り変えていますし、
日産は生産基地をタイに移すと発表しています。
グローバル化の時代になったのですから、
極端な言い方をすれば、
本社だって必らずしも
日本国内におかなければならないわけはないのです。

やっと自動車会社もそうしなければならないことに気づいたか
と言いたいところですが
恐らく世界的スケールで生き残る企業はもとよりのこと、
町工場だって世界中を見てまわって
自分たちが生き残れるところに生産基地を移す時代になりつつある
と言ってよいのではないでしょうか。
国際情勢は複雑ですから
考慮すべきことはたくさんありますが、
少くとも日本人が日本にしがみついて離れない時代は
終ったと見てよいでしょうね。


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2009年2月14日(土)

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