中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3274回
新商品開発に焦点を合わせて下さい

いま中国で新しい開発に従事している人たちは、
私と私のもとで働いている若者たちも含めて、
如何にしてオリジナリティを発揮するかに
全神経を集中しています。
オリジナリティを発揮するとは、人真似でなくて
今まで中国になかった商品の生産に従事するか、
もしくはサービスを提供して、
人々に歓迎される新風を送り込むかということです。

中国人は金儲けに熱心なだけでなく、
少しでもそのチャンスがあると、
人真似だろうと法律を犯すことだろうと
恥も外聞もなく平気で実行します。
ですから金の儲かる商売を見たら、
たちまち同じ物が次から次へとコピーされ、
「好況は3日と続かない」
ということがくりかえされます。

そういう人たちが相手ですから
他人に真似されないための対策も必要ですが、
いままでになかった新しい発想を
私たちが持つことが何よりも大切です。
たとえば安売りでお客を集めることは
中国人の最も得意とするところですが、
それよりもっと安売りをする人が現われたら
商売はたちまち駄目になってしまいます。
従って、安売りをしても
それに耐えられるだけの新商品の開発をするか、
安売りをしなくとも人が喜んでとびついてくれる
ユニークな商品を開発することに力を入れるべきです。

その土地の人でない他所者、
日本人も含めて外国人が中国で新しい商売をやって
生き残れる道はそれ以外には考えられません。
私たちが1杯のコーヒーから始めて
それこそケーキ1つ、シュー・クリーム1つで、
しかも、中国人に喜ばれる商品の開発に一心不乱になるのは、
それ以外に生き残れる道がないことを悟っているからです。
事実、またそうした目で、
年に10%前後の成長下におかれている中国の環境を見ていると、
新しい商品開発のチャンスは無数にあるのです。
売れる商品の開発に焦点を搾って
上海や北京の商店街やデパートや
ショッピング・センターの中を歩いて見たらどうでしょうか。
頭の中だけで考えないで、
先ず飛行機に飛び乗ることからはじめて下さい。


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2009年2月25日(水)

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