中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3307回
今日は私の満85才の誕生日です

きょうは私の満85才の誕生日です。
大正13年3月、日本の植民地だった台湾台南市で生まれ、
早生まれ、7年制高校、学徒出陣による卒業の半年繰り上げによって
21才で東大経済学部を卒業しました。
翌年、大学院を中退して
引揚げ船を逆に乗って生まれ故郷の台湾に帰ったものの、
蒋介石が送り込んできた悪逆無道の台湾政府に叛旗をひるがえし、
すんでのところを香港に亡命、
言葉もわからず、お金もなく、
東大を出たことが何の役にも立たない異国で
一転して財をなしたけれど、それに満足できず、
昭和29年、小説家を志して東京に戻り、
翌年下半期に直木賞を受賞して、
やっと作家として一人前に通用するようになった途端に
「お金儲けの神様」に転業して50年間も文筆業を続け、
80才になってやっと第一線から隠退しました。
それでもこの「ハイハイQさん」で
皆さんとコミュニケーションをやるようになってから
早くも10年の歳月がたっています。

「見えない景色の向うを見よ」というのが私の覗き趣味で、
20年前に今日の中国の姿を予想したし、
10年前に今日のアメリカのマネーゲームの崩壊を予言しました。
その私がいまこの欄でとりあげている中国の未来像が
はたしてその通りになるかどうかは
私自身が自分の目で確かめることはできないでしょう。
もう年もとったし、耳も遠くなったし、
それでも衰えていないのは好奇心だけです。
そのおかげでいまも私はアジア中をとびまわり、
新しいプロジェクトをすすめています。

毎年のことですが、ごく内輪な仲間だけで誕生会をひらいています。
ことしは丸の内の福臨門で食事をすることになっています。
福臨門と言えば、目の玉のとび出すくらい高い店ですが、
敢えてそこを選んだのは
右を向いても左を向いても不景気な話ばかりだからです。
こんな時こそ無い袖をふれば
お金の有難さが一そう身にしみるのではないでしょうか。
人生は80年に延びましたが、
事業の寿命は逆に30年から10年に縮んでしまいました。
ちょっと油断をすると、
死ななくても転んで大怪我をしてしまいます。
どうぞお互いに用心、ご用心。


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2009年3月30日(月)

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