中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3308回
食品の輸出入にも新しい時代が

農薬入りの毒ギョウザとか、メラミン入りの粉ミルクは
中国で食品衛生の規準がしっかり守られていない何よりの証拠で、
次々とこうした事件が表面化する度に、
消費者がメイド・イン・チャイナの食品を敬遠するようになり、
その影響を受けて倒産する企業や
株価の大暴落する企業も出ています。

毒ギョウザの時も、調査当局の対応が如何にも横着で、
私たちから見ても
会社に恨みを持つ社内不平分子の仕業にきまっているのに、
うやむやにしたあとで、
同じ毒ギョウザが中国国内でも出まわり、
恥の上塗りをしてしまいました。
その結果は深刻な後遺症を業界に残し、
中国製食品の信用恢復には相当の時間と努力がかかることは
先ず間違いないでしょう。

しかし、日本の食料品不足は
他に補充の妙案があるわけもありませんから、
スーパーやコンビニで消費者が直接買う分には手控えが起っても、
業務用はそのまま継続しています。
一旦、消費者の口に入るようになったメイド・イン・チャイナは
いまもそのまま続いているのです。
中毒事件をきっかけにして監視もきびしくなり、
お互いによく注意するようにもなったので、
国境をこえた食品の往来は
いよいよ本格化する時代に入ったと見るべきではないでしょうか。

ほんの少し前までは、日本製の食品は値段も高いし、
中国に輸出されることなど先ずあり得ないと思っていましたが、
最近は上海や北京のデパートに日本の米も並ぶようになりましたが、
最近では北海道から中国に輸出される鮮魚の中に、
高価な牛肉がかくされて密輸されるのが発見されて、
好事家の間で話題になっています。
値段は高くても、美味で他の追随を許さない日本の食品は
中国人の間でも人気があるようになったのです。
食品の輸出は一方的と思うのは間違いで、
日本の農産物や加工食品が
中国人にも親しまれる時代が来ているのです。
新しい商売のチャンスをお見逃がしにならないように。


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2009年3月31日(火)

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