中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3312回
牧畜業は何と3年間、全くの無収入

この調子でグローバル化が進むと、
かっての日本が次々と
舶来の物を自分たちの生活の中に取り入れたように、
中国人が日本文化を
むしろ自らすすんで受け入れて行くことが考えられます。
日本人は中国には固有の文化があって
他の国の文化を排撃する独善的なところがあると思いがちですが、
中国文化を唐の時代までさかのぼって調べて見ると
すぐにわかることですが、
外国人も多く移民してきているし、
また外国の文物を何の抵抗もなく受け入れています。
そうやって外国から受け入れたものを
また何の惜し気もなく外国に輸出していますから
「外国文化の卸売りセンター」
の役割をはたして今日に至っていることがわかります。
つまり外国文化の受け入れに何の抵抗もないどころか、
むしろ積極的に受け入れる体質の国なのです。

もしそうだとしたら、
中国人の中で今後、
日本の米を賞味する人も現われる筈だし、
世界にその名を知られるようになった
神戸肉や松坂肉を賞味する人もふえることは目に見えています。
現に上海でご馳走になるのに
日本式のビフテキ屋に案内されることも珍しくなくなっています。
もしそうだとしたら
将来の牛肉消費量の増大を見越して、
和牛の飼育を中国でやるべきではないかと
その筋のプロの人たちから話を持ちかけられました。
経済が発展すると、
どこの国でも牛肉の消費量がふえ、
逆に鶏肉の消費量が減少する傾向が見られます。
いまの中国はまさにそういう位置におかれている
と言ってよいでしょう。

ならばというので、
私は早速、下調べにとりかかり、
四川省から雲南省まであちこちとびまわって
水牛から牛乳をとる農場まで見てまわりました。
肉牛を育てるのは仔牛からお金になるまでに
何と3年もかかってしまうのです。
3年間、1文の収入もない事業をやる人って
本当にいるんだろうかと首をかしげましたが、
そういうことをやる人が広い中国にはちゃんといるんですね。
そんな気の遠くなるような牧場を経営している人を
大連で見つけました。


←前回記事へ

2009年4月4日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ