中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3315回
農牧業もいよいよ国際化の時代に

中国では国内における農作物の需要がふえたのと、
農業に対する政府の振興策が強化される方向にあるのとで、
いまや農業は中国の多くの人々や
企業の関心を集めるようになりつつあります。
6、7年前に永田農法の永田さんと中国に出かけた時は、
永田さんの得意とするトマト栽培は
折角、現地でつくっても日本側が輸入を禁止していました。
ですから1度、韓国に輸出して包装を変えて、
韓国製として日本に入れるよりほかありませんでした。
それではトマトの特級品を
何分の1のコストでつくるメリットがありません。
ですからその時は下調べをしてまわっただけで
結局、企業化は見送るよりほかありませんでした。

その後、永田さんはユニクロと組んで
日本国内でつくってデパートで売る方法を実行に移しましたが、
高すぎて消費者の心をうまくつかまえることができませんでした。
私は現地でつくって、
缶詰にすればいいのにと内心、思っていましたが、
福島県や新潟県で農業をやったのでは、
グローバル化のメリットを思い切って発揮できるわけがありません。

それが10年もたたないうちに情勢一変してしまいました。
霜降りの牛肉にしてもそうですが、
トマトや桃やリンゴだって
何もわざわざ中国でつくって日本まで持って来なくとも、
現地で売れる環境ができつつあるのです。
それどころか、
インド洋でとったマグロだって日本人の口に入る前に
中国人の胃袋におさまってしまうことだって
大いに起り得る社会環境が生まれつつあるのです。

こういう時こそ日本の先覚者が生産に有利な地域に出かけて行って
現地で生産する絶好のチャンスではないでしょうか。
ちょうどこれからまた永田さんを誘って
トマトの栽培に絶好の条件を備えた
寧夏自治区まで出かけるところです。
雨が少くて昼と夜の温度差が激しいところと言えば
私の頭にすぐ浮んでくるのは寧夏とか内モンゴルですが、
それが何と向うからお声がかかってきたのです。


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2009年4月7日(火)

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