中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3339回
日本式栽培法でお茶の収穫が3倍に

子牛の供給先を現地まで見に行くついでに
雲南省の普洱茶(プーアール茶)の産地で日本人が
お茶の改良に従事している現場を見に行ってきました。
邱友会のメンバーの1人で静岡でお茶の製造販売をやっている
大手の業者の社長さんがいます。
何年も前からいまに山で茶摘みをしてくれる人もいなくなる、
日本のお茶はもう既に需給のバランスが崩れかかっている、
だから中国のお茶の本場で日本茶の開発をしたいと
言い続けてきた人がいます。

ずっと延び延びになっていたのですが、とうとう念願叶って、
ことしのはじめから技術者を現地に派遣して、
茶摘みから製造過程まで日本のやり方を現地に持ち込んだのです。
1度ぜひ見て下さいと言われて、昆明から更に温泉のある
騰沖(タンツンチュン)という町に新しくできた飛行場までとび、
それから更に通る自動車もないような
山奥にある茶畑まで辿りついたら、
もう日が暮れかかっていました。

もう既に定年退職をした八木さんと言う日本人の技術者が
私たちを迎えてくれましたが、
茶の渋味を抑えるために日本人が考えたテントをかぶせた棚が
1200坪もある茶畑を覆っているのに先ずびっくりしました。
私は中国人の経営者が半信半疑で
100坪くらいの小さな実験場をつくるに違いないと思っていたので
私が選んだ人とは言え、全面的に信頼してくれたことに対して
笑いを禁じ得ませんでした。
棚づくりの前はなかなか言うことをきいてくれなかった
作業員たちも形ができた途端に、
我れ先に仕事にとりかかって協力をしてくれたそうです。

私たちが到着した日は
そのテントの下で生育した茶の葉を刈り取って
はじめてお茶をつくったところでした。
私もその第1号を飲ませてもらいましたが、
「どうですか、仕上がった味は?」と本人にききかえしたところ、
「大体、予期した通りですね」とご満足の様子でした。
しかし、そんなことよりも、私がびっくりし、
且つこれなら将来が期待できるぞと思ったことがあります。
日本式栽培法でやると収穫が3倍になるというのです。


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2009年5月1日(金)

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