中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3371
ガマンすれば必らず芽の出る業種

株は産業界の栄枯盛衰を反映するものですから、
いつまでも同じところに陽が当るとは限りません。
とりわけ経済界に大変動のあった時は株価は大きく変化します。
しかし、業種的に変化を受けたまま斜陽化するものもありますが、
打撃を受けたことがきっかけになって
新しい発展の道がひらけて行くケースもあります。

東江環保の2008年度の営業利益は
前年度に比べて24%ほど後退しましたが、
営業額だってそう悪いわけではないし、
新しく手がけている事業はふえる一方です。
それでも株価的に人気にないとすれば、
一つは証券界全体が世界的な不況の影響を受けていることと、
もう一つはかなりの利益があがっているにも拘らず、
二期続けて無配を続けていることではないかと思います。

株主への配慮よりも、手元資金の確保を優先させるのは、
中国株の目立った姿勢の一つですが、
これは不況時や企業の不振時に対する中国の銀行の対応が
きわめて時代遅れなことと深くかかわっています。
私は機会ある毎に
経営者に株主を念頭においた経営をすすめていますが、
早急に改善される見込みは先ずありません。
そうしたなかで、廃棄物処理から受ける損失は、
会社自身が発表しているように、
2008年度の最終四半期では
金属処理産業がかなりの打撃を受けていますから、
納得のできないことではありません。
但し、廃棄物処理業者に損害をあたえたまま
事業を継続できませんので、
最悪期は既に過ぎ去っており、
取引条件が改善される立場に同社はおかれていると見て
間違いないでしょう。

総じて公共性の強い環保事業は、
産業界が立ちなおる方向に向えば、
廃棄物処理から汚水処理、
さてはメタンガス発電にまで手を伸ばしている東江環保に
朝が来ないことはないでしょう。
どの時点までガマンすれば、
株価が元気を取り戻すかは判定できませんが、
公共銘柄的色彩の強い環境処理業に必らず陽が当ることに
私は確信を持っています。
ですからこれはずっと私のガマン銘柄の1つです。


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2009年6月2日(火)

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