中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3373回
日本では考えられない業態の新規事業です

今後10年、中国で1番開発の進む公共事業の1つは
上水道の開発です。
工業化が進み、人口の都市集中がはじまると、
水に対する需要がふえます。
水の需要がふえると、汚水処理の仕事もふえますから、
上水も下水も商売は繁盛すると見て間違いないでしょう。

なかでも河の周辺にあって、ダムをつくって水を吸い上げ、
きれいな水にして市民や工業団地に
大量に供給できる位置におかれた地方都市は
中国水務に話を持ちかけられたら、
棚からぼた餅とばかりにすぐにもとびつきます。
中国水務が何十もの事業やプランを持ちかけられ、
いつも資金の不足で駆けまわっているのはそのためです。

大抵のプロジェクトは水道事業を市と共同の事業として
株式会社に再組織する仕事です。
共同出資をして供水がはじまったら、
その日から収入があるようになります。
公共事業ですから、値段は低めに抑えられ、
市民から文句の出ないように配慮されています。
すると、いままで役人だった人が天下りをして
半営利の株式会社のスタッフになります。
見ていると、どこの地方都市でも、
水道局や水利局はありあまるほどの遊休土地を抱えています。
地方都市はどこでも町づくりには熱心ですから、
気がついて見たら、目ぼしい遊休地は
次から次へと中国水務に売り渡されて、
マンションや商業ビルが建てられ、
中国水務は本業外の収入を何億元も稼ぐようになっているのです。

投資家は会計報告を見ると、
本業以外の臨時収入ですから、
何億元あっても次期には計上されない収益と見なします。
ですからそんな収入があまりにも多く計上されると
逆に信頼性が失われて、
株価が逆に下がるということが過去に何回かありました。
でもちゃんと税金を払っているのですから
無い利益を計上しているわけではありません。
それでいていくら儲かっても無配なのは
いくら儲かっても、それを上廻る新規事業が
次から次へと舞い込み、
資金ぐりに忙しい毎日が続いているからです。


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2009年6月4日(木)

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