中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3384回
亨泰は大規模農業の後に続く第三手

私が眞っ先に見に行ったのは山東省で
日本の商社を通じて野菜とその半製品を日本に輸出している
龍大という農作物専門の会社でした。
その時は8割が日本への輸出で国内向けは2割と言うことでした。
「こんなことで商売になるのかな」と私は首をかしげましたが、
5年たってまた現地を訪問して
前に案内してくれた会社の幹部に会うと、
大へん明るい表情で、
「あれから仕事がドンドンふえまして、
いまでは8割が国内向けになっています。
パーセントが逆転したのは国内向けが大量にふえたからで、
輸出が減ったわけではありません。
近いうちに株の上場を目指して
いま手続きをしているところです。」
と張り切っていました。

次に私が農場見学に誘われたのは
亨泰という食品輸入を大量にやっている会社でした。
ずっとタイ国から冷凍野菜の輸入をして
中山と上海と大連で販売していたのが、
販売ルートが確立してから江西省で大規模農業に乗り出したのです。
最初、私はその意味が呑み込めなかったのですが、
同社の上海にある大規模な販売基地に乗り込んで、
色々と販売ルートの説明を受けてから、
やっと理解したのです。
食品の輸入をしている会社は人民元も高くなる環境だし、
生活も向上するプロセスだから
輸出産業よりはずっと有利だと思って注目したのですが、
亨泰のように販売ルートが確立すると、
タイから野菜を輸入するよりも自国内に大量生産基地があれば
もっと有利だと経営陣が認識するようになったということに
ほかなりません。

それも江西省にかなりの規模の農場があって
既に生産を開始しているときいて、
中国水務の開発現場に近かったので、
先ず亨泰の農場を見て
その足で更に超大現代農業の農場まで
足を伸ばすスケジュールを組んで、
江西省永修県にある亨泰の農場まで
考察団を引率して見学に行ったのです。
既に野菜やいちごやみかんの出荷もやっていて、
農園もかなりの黒字経営になっていたので、
これならやがて超大現代や緑色農業に追いつくだろうと納得して
引き揚げてきたのです。


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2009年6月15日(月)

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