中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3385
亨泰がこの時期に有償増資をやったわけ

亨泰の大規模農場を見学したあとに、
南昌から厦門にとび、廈門より汕頭に近いところにある
超大現代農業の大きな農場まで足を延ばしました。
既にいくつも大規模農場を見たあとなので、
大規模農場がどんな形をしていて、なかで何を植えているのか、
またどんなシステムになっているか、
大体のことが頭に入っていたので、
ビニール・ハウスの中がどんな具合でやっているのか、
ビニール・ハウスとハウスの間は
大型トラックが2台すれ違っても心配のない幅になっていないと、
収穫した野菜の運搬に不便なことも大体、考えていた通りでした。

行く先々で人をびっくりさせるような施設がないものかと
好奇心を働かせましたが、
売上げの4割も計上益がある割りには
奇面人を驚かすような仕掛けが全くないことに
むしろ意外性を感じました。
零細農民による食品生産が如何に非能率で、
野菜でも果物でも消費者の口に届くまでに如何に無駄が多いか、
改めて身にしみたと言うのが本音です。

おかげで私も沙漠で野菜づくりをする大農園の経営に
心を動かすことになりましたが、
見学が一段落して東京に戻ると、
亨泰が2対1の有償増資をする董事会の決議を発表して、
只でさえ安い株価が更に売られて安値を更新しました。
1株当りの利益が13セントある会社の株が
僅かの30セント台ですから、
株価収益率はたった3倍ということになります。
資本金の100倍の積立金を持っているのに、
どうして増資をするのかときいたら、
農地が大暴騰する前に
大規模な農地の手当をすることになったことと
同じ増資をやるなら、株価の安い時の方が
いいと思っての決断ですという返事がかえってきました。
増資ときいてアメリカやフランスの基金が大量に持株を売り、
董事長とその身内が5億株もすかさず買い向ったことが
パソコンの情報にも記載されています。
前述の2社と似たような仕事をやっているのに
株価に10倍の差がありますから、
どちらに手を出すべきかはご自分で判断して下さい。
このあとかなりの辛抱が必要だとしても、
野菜づくりは鉱山や資源と違って
3ヶ月で収穫の周期がまわってきます。


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2009年6月16日(火)

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