中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3388
駅の改造が人の流れを大きく変えた時代も

日本ではこの2、30年に、
JR私鉄を問わず、ターミナル駅、主要駅の大改造を行い、
デパート・名店駅からホテルまで配置するようになったので、
あれよあれよと思っているうちに、
人の流れが一変してしまいました。
これまであった駅前の人の流れのほかに、
乗物を中心とした新しい人の流れが加わったので、
物を買うのから食事をするところまで
ビジネスの地図が大きく変わってしまったのです。

私が若い頃に頭に描いていた東京や名古屋や京都や大阪と
いまの若い人たちが人と待ち合わせたり、用を足したりする場所は
全く違ったところになってしまったと言ってよいでしょう。
そうした変化の功績は誰にあるかというと、
JRや私鉄が乗客を載せるだけでは商売にならず、
何とかして人の乗り降りする駅に付加価値をつけて
赤字の補填をする方法はないものかと
知恵を搾った結果ではないでしょうか。

八重洲口の改造をやる過程にしても、
駅内に足をふみ入れると新しい売店や
食べ物屋が次から次へと立ち並び、
私たちのように列車に乗ることしか頭にない人にとっては、
あんなことでどうやって
商売をやるのだろうかという疑問の連続でした。
しかし、気がついて見ると、
日本国中の主な駅がショッピング・センターに一変してしまい、
商品の補給をする車の流れは
新しいロケーションを無視することが
できなくなってしまいました。
時代によって人の流れは大きく変わるのです。

そう言った意味では、
郊外につくった大型のショッピング・センターが
買物客の人の流れを大きく変えた時代もありました。
が、最近は、不景気になったのと、
若者の自動車離れが少しずつ進んでいるのとで、
かつて三業地の在り方を変えたショッピング・センターが
逆にお客に見離される動きに変わってきました。
大型スーパーやコンビニでさえ店舗の再編に
かつてない規模のプランを立てているのを見てもわかります。
日本は戦後、第3次の人の流れの変化に
ぶっつかっているところではないでしょうか。


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2009年6月19日(金)

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