中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3396回
石油も為替相場も落着く所に落着きます

時代が変わると、物の値段も為替の相場も、
またそれを見る私たちの目も変わります。
石油の値段はかつて1バレル2ドルもしなかったのが、
第一次石油ショックの時は12ドルまではねあがったし、
今度の大暴騰では150ドルをこえてしまいました。
この調子では200ドルになるぞという声さえきこえましたが、
一旦、逆転すると30ドル台までツルベ落しに落ち込みました。
でも世の中にはこのへんが妥当な線ではないかという常識があって
私はやがて70ドルから80ドルの範囲内で
落着くのではないかと見ていました。
はたしてそうなるかどうかは
実際にそうなってみないとわかりませんが、
仮りにそうなったとしても、
いつまでもそれが続くとは限りません。
しばらくすると、
均衡が破れてまた新しい均衡点を求めて
物の値段は動くものだからです。

石油がそんなに高くなったら大へんだと思うかも知れませんが、
高くなったらそれを受け入れるだけの環境がしぜんに生まれるし、
それに代替する物も、
またそれがなくてもやって行けるような環境に変わるものなのです。
ですから結局は落着くところに落着くことになるのです。
米ドルにしても1ドル360円からはずれた時は大へんだと
青くなった人がたくさんいました。
私はアメリカと日本の物やお金の動きを見ていて
「いまに1ドル100円ですね」と断言して
人に笑われたことがあります。
実際にそうなるまでに9年かかりましたが、
実際にそうなって見ると
それを受け入れる体制と環境がしぜんにできているのですね。
そういう目で見ていると、
いまのドルはもっと下がる方向にありますから、
いまに50円になるぞと見ている人もたくさんいます。
いつかそうなることもあるでしょうが、
いまの私はここ当分、
100円が妥当じゃないかと見ています。
ドルは下がる方向に動いていますが、
でも円高になった時代と違って
いまの日本も円が下がる方向に動いているからです。
原料を買って来て加工して売る商売は
日本以外の国の人にもできるようになったし、
かっての日本人が考えていたように
そんなに付加価値を生んでくれる商売でも
なくなってしまったからです。


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2009年6月27日(土)

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