中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3397回
資源株で最も注目すべきは銅です

物がよく売れて素材が不足するようになると、
半製品やその原料になっている資源が大きく値上がりをします。
中国のようにあとから出て来て、
鉄でもアルミでも先進国を追い越して
大へんな成長をしている国では、
資源の供給国から思いもよらない値上げを要求されて
真っ青になる場面がありました。
中国自身が大きな国ですから、
鉄鉱でも石炭でもボーキサイトでも何でも一通りはありますが、
稼働している生産設備をストップするわけには行きませんから、
やむなく値上げに応じます。
そういうことを何回かくりかえしているうちに、
資源の確保が先ず第一と思うようになって、
ありあまる外貨を活用する方法として
資源の開発に全力を傾けるようになりました。
周辺を取りかこむ国々はもとよりのこと、
アフリカでもオーストラリアでもブラジルでも、
資源国にはどこにでも中国は乗りこんでいます。
日本がかつてありあまる米ドルで
アメリカの不動産を買いまくって敗退したのと違って、
中国は地球上の資源を買い占めることに
夢中になっているところです。

その結果がどうなるかは、
今回の世界的な不況が峠をこして再び工業生産が勢いづいたら、
はっきり答えが出てきます。
いくらハイブリッド車が人気を呼んでも、
石油の需要は減らないでしょうが、
物づくりという観点から見たら、
最も不足するようになるのは
石油でなくて銅ではないでしょうか。
いま銅の消費量は1年に1500万トンですが、
わかっている埋蔵量は6億6000万トンしかないと言われています。
44年もすると完全に枯渇してしまうのです。
もちろん、海底はまだ勘定に入っていませんから、
これで終わりということではありませんが、
さしあたり最大に不足するのは石油でも金でも鉄鉱でもなくて
銅だということになります。
資源株に目をつけるなら銅山であって他の鉱山ではありません。
但し、資源株は景気に大きく左右されて激しい動きをしますので、
大暴落をした時に先ず注目すべきは
金ではなくて銅だということになります。


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2009年6月28日(日)

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