中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3404回
増税にもブレーキのかかる時代です

中小企業は何万軒倒れようとも社会的な影響が小さいので、
政府は見て見ぬふりをしていますが、
国を代表するような大企業が倒産すると
産業界に大きなヒビが入るので、政府が対策に乗り出します。
金融不安はアメリカからはじまっているので、
日本政府はしばらく傍観する立場におかれておりましたが、
金融畑だけでなく、輸出が大きな影響を受けるようになると、
日本を代表する大メーカーが
次々と大赤字を計上するようになったので、
やっと事の重大さを認識するようになりました。

日本の輸出不振は、
もちろん、世界的な大不況とかかわりがありますが、
企業の大赤字は
ドルの暴落による円高が招いた分も少くはありません。
そうなると税収にも大きく響きますから、
事業をやっている人たちは青くなりますが、
日本の政府はお金儲けとはかかわりのない、
経済に鈍感な若殿様たちによって運営されていますから、
事の重大さにさえ気がつかないのです。
私なら目の色変えて円高を抑えにかかりますが、
日本では景気づけのために
お金をバラまくことが話題になっているくらいですから
馬耳東風といった所でしょうか。

となると、景気が悪くなるだけでなく、
財政の赤字がアメリカに負けず、悪化して行く一方ですから、
失業者だけでなく、小金を持った人まで真っ青になります。
政府が大赤字になると、やがて増税がはじまり、
消費税が10%になるだけでなく、政府が年越しもできなくなれば、
終戦後のような猛烈なインフレや財産税の取り立ても
考えられないではないからです。

むろん、そうなるまでにはまだまだ時間がかかります。
そうならないですむことも考えられます。
でも気の早い人はそうなる前に
財産は安全地帯に移しておいた方がいいぞと先ず考えます。
人が自由に動けなくともお金はすぐにも動かせるからです。
お金の方が先に動くのがグローバル化の時代なのです。
但し、どこの国もお金に逃げられないために、
非常識な増税に踏み切れない時代になってしまっていることも
事実です。


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2009年7月5日(日)

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