中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3408
レストランにも閉店の周期が

大抵の人は客を招待したり、家族連れで外食をする場合、
ひいきにしている店に行きます。
ひいきにしている店なら、
こちらの事情もよくわかっているし、
ふところ具合も見当がつきますから、
サービスにも気を使ってくれるし、
吹っかけられる心配もありません。
私ももちろん、ひいきにしている店に行きますが、
3度に1度は全く行ったことのない店に行くように心がけています。
同じ店にばかり行っていると、
世の中にどんな変化が起っていて、
どんな料理に人気が集まるかわからなくなってしまうからです。

いまどんな店が流行っているかは親しい友人にもききます。
しかし、親しくしている友人の中にも味オンチの人は
結構たくさんいますので、
何でもおいしいおいしいと言って
舌鼓を打つ人の言うことは信用しません。
従って1番多いのは文藝春秋の東京いい店、うまい店とか、
ザガットとか、東京最高のレストランとか、
最近で言えば、東京版ミシュランとか
毎年、新刊が出るとすぐに買い求めて眼を通します。
きいたことのない新しい店が出てくることもあるし、
人気のある店が入れ代わることもあります。

料理を出す側は毎日、同じことをくりかえすことが多いので、
時代の変化やお客の嗜好の変化に無頓着だと
だんだんあきられることがよくあります。
いまのように不景気が定着して、
スーパーにショッピングに出かけるのも臆劫になって
近所のコンビニですませる人が多くなると、
1食2万円も3万円もとる一流レストランから
客足がだんだん遠ざかるようになります。
と言って客単価を調節する店はほとんどありませんから、
採算がとれなくなって店じまいまで追い込まれる店がふえてきます。
レストランなんて
閉める日が来るのを待つ商売の典型と言ってよいでしょう。
高級店だけに起ることではありません。
ファミリー・レストランや
大衆相手のチェーン・レストランにも同じことが起ります。
いまちょうどその周期がまわってきたところと言ってよいでしょう。


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2009年7月9日(木)

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