中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3410回
不況下のもてなしはこの程度で充分

あと2軒のレストランは1軒がイタリア料理、
もう1軒がフランス料理です。
イタリア料理で私がひいきにしている店が何軒もありますが、
ガイドブックを見て今回、私が選んだのは
白金台にあるイル・グラッポロ・ダ・ミウラでした。

私がひいきにしている
オザワというフランス料理屋のすぐそばにあって、
歩きにくい階段を地下におりたところにあって
割合に清潔な感じの店。
定食がなくてすべてアラカルトなので、
黒板にチョークで細かく書いたメニューを見て注文する仕掛け。
イタリア料理ですから、
2人前を3人で分けてもらうこともできるので、
向うの言う料理を片っ端しに選んで
腹一杯になったあとも次から次へ出て来て、
それでいて1つのおちこぼれもない美味なのです。
私はあまり誉めない方なのですが、
最初に出て来たパンを一口かんだだけで
これは普通でないぞとすぐにわかりました。
イタリア料理屋はパンもデザートもほとんど自家製ですから、
ちょうど日本料理屋で最初に出てきたおすましで
料理のレベルがわかるように、
パンの一口で感心してしまったのです。

はたして次から次へと出てくる料理に
料理人の魂がこもっていたので、私が誉めると
三浦仁さんというオーナー・シェフが挨拶に出てきました。
私とは世代も違うせいで、
私が書いた食べ物の本も読んだことがなく、
私の名前も知りませんでしたが、
誉められて嬉しくないわけがありません。
一緒に行った若い男が2人とも下戸だったせいもあって、
ワインはグラスで1杯だったので、
勘定を見ると3万2000円あまり。
これなら不景気日本にも立派に通用する値段と
料理のレベルだと認定しました。

これから10年の日本は恐らく
あまりパッとしない景気の中で
生き伸びる努力をする時代が続く筈ですから
人を招待するレベルはこのへんあたりに
落着くのではないでしょうか。
嘘か本当か、皆さんもどうぞご自分で試して見て下さい。


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2009年7月11日(土)

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