中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3428回
本を読む時間はプラスの時間です

未来を正確に把握するためには
いままで人間が築きあげてきた過去の知恵を
勉強する必要があります。
学問とか、歴史とか、文物とか、生活の手段は
人間がこれまでにどんなことをやってきたかを教えてくれます。
そういう過去の勉強をするのに一番役立つのは
読書ではないでしょうか。

いまや読書の内容はパソコンに移りつつありますが、
どんな手段によるにせよ、
過去の勉強をすることは未来に通じます。
ですから過去の知識を一通り身につけることは
どんな分野で働くにせよ、絶対に欠くことのできない作業です。
何事をやるにせよ、経験はきわめて大切なことですが、
知識は経験に優先します。
どんな経験も身体あってのことですから限りがあります。
それに比べると先人の経験や知恵は
時間をかけて積みあげられたものですから、
こちらがいくら必死になって頑張って見ても、
これで全部わかったという域には達しません。
従って研究熱心な人にはとても敵わないのです。

むろん、読書万巻、本の中に埋もれて生活している人でも、
それを活用できない人はたくさんいます。
しかし、全く本を読まないで天才的な行動のとれる人は、
少くとも私の視界の中には1人もおりません。
つまり過去の人間の知恵を無視して
未来の読める人はいないのです。
ですから本を読む人かどうかを見れば、
この人が研究心のある人かどうかがわかります。
研究心のない人で
「犬も歩けば棒にあたる」人は先ずありません。
あったとしても尊敬できる人ではありません。

ですから人を見る場合、
この人は本を読む人であるかどうかを先ず観察します。
本を読まない人で研究心のある人にあったことはありません。
いくら多忙な人でも電車に乗っている時とか寝る前には
本を手にとる時間くらいあるでしょう。
本を読む時間は人生にとってプラスになる時間です。
インテリのことを中国語では「読書人」と言います。


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2009年7月29日(水)

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