中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3520回
銀行に金儲けを手伝ってもらった人も

事業をやる人は運転資金に不足しますから
銀行にお金を貸してもらいに行きます。
でも銀行は預金者から預かったお金を焦げつかせたら
大へんですから、
そう簡単にはお金を貸してもらえません。
そんな銀行から支店長がやって来て、
「お金のご用立てをうけたまわりましょうか」
と挨拶されたら、
事業家としてどうやら一人前になった証拠だと言われています。

銀行はそうした企業にお金を貸して
金利を稼ぐのが仕事でしたから、
高度成長がはじまった頃は、
どこにお金を貸したらいいか、
絶えず気をつけていましたし、
既に取引先になっている企業のビジネスの動向については
毎日のお金の出入りから
会社の新規の計画にまで首を突っ込んでいました。
融資先から金利と資金の回収をしなければなりませんでしたから、
支店長から融資係長に至るまで大へんな勉強家でした。

そこに割り込んで、
一般の預金者がお金を借りられるようになったのは、
不動産の購入に銀行が融資をするようになってからですが、
その場合でも銀行から人間として信用されることが第一でした。
私がなぜ銀行からお金を借りることをすすめたかというと、
高度成長がはじまると、
不動産が大へんな勢いで上昇をしはじめ、
お金が貯まってから買ったのでは間に合わないと思ったからです。
そのために私は知り合いという知り合いに、
会社が住宅購入の資金を貸してくれるシステムがあったら
借りられるだけ借りなさい、
足りない分は親兄弟から借りられるだけ借りて
先ず土地だけでも買いなさいとすすめました。

次に将来、どこかの銀行からお金を借りる積りなら、
先ずその銀行の支店長さんにちゃんと挨拶をして、
それから毎月、
定期積立金をきちんとやりなさいとアドバイスしました。
銀行が一番重視するのは、実績であり、
数字はそれをはっきりと証明してくれるからです。
その通りに実行してマイホームをうんと安い値段で手に入れた人が
私の周辺にたくさんいます。
もちろん、結果はあとになってからわかったことですが。


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2009年10月29日(木)

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