中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3544回
新しい日本料理が輸出される時代に

この40年来、
私はいくつものレストランのオーナーをやってきましたが、
レストランのお客として、日本国内だけでなく、
世界中をとびまわってもきました。
フランスの3つ星のレストランだって、
辻調理師学校の辻静雄さんが私の予約係をつとめてくれましたが、
「邱さんのような一流店をそんなに食べ歩く人見たことがない」
と感心されました。
この齢になっても、中国のどこそこにうまい小籠包があるとか、
珍しいラーメンがあるとか耳にすると、
すぐにも飛行機に乗ってとんで行きます。

自分の商売の勉強のために行くわけではありませんが、
店を担当している責任者より私の方がずっと熱心なことは
周囲の人なら誰でも知っています。
もちろん、旅行に行った先ではその土地の料理を主に食べますが、
毎日、馴れない料理が続きますと飽きるので、
日本料理や中華料理も負けずに口にします。
中華料理は世界中どこに行ってもありますが、
日本料理は30何年前はヨーロッパか、アメリカの大都会でないと
先ず見当りませんでした。
漸く探がしあてて扉をあけると、
一せいにこちらを向くのは現地に駐在する日本人か、
旅行に来た日本人ばかりでした。

しかし、メイド・イン・ジャパンの進出が目立つようになり、
日本の経済力が認められるようになると、
日本料理屋に入る現地人の姿が次第に目立つようになりました。
その国の実力を認める人がふえると
その国の文化も重んじられるようになるのです。
とりわけ日本料理は健康食のお手本みたいに思われているので
「今に日本料理は世界中でブームになるぞ」
と私は30何年も前の自分の著書の中で度々力説しています。
すしや刺身がはたして異国の人に親しまれるようになるかどうかは
もう少し時間がたって見ないとわかりませんが、
ラーメンも焼肉もカレーライスも、
外国では日本料理と思われているのです。
自動車もトヨタやホンダが
GMやフォードより人気があるようになったように、
日本風にアレンジされた他国の料理が
人気を呼ぶ時代になったのです。


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2009年11月22日(日)

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