中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3589回
農業にも奇想天外の新しい改良が

私は次の10年に日本を代表する大金持ちになる人は
農業のグローバル化に成功した人だと思っていますが、
大規模農業を実行に移すのだって容易なことじゃないし、
それをグローバル化することは更に困難が伴うことは充分、
承知しています。

実はそれだからこそ
万難を排して食品の大量生産に成功した人が産をなすのです。
一口に食糧と言っても多岐に渡るし、
食品を育てるのから人々の口に至るまでのコースも
少数の人が独占できるものではありませんので、
成功者にランクされる人は1人や2人ではない筈です。

しかし、少子化と老齢化で人口が減少化する
日本のような国がある一方で、
「貧乏人の子たくさん」を地で行く地域は
もっとずっとたくさんあるし、
地球全体がふえる人口であふれる状態を方向転換しない限り、
食糧の不足は避けられなくなります。
その上、工業化の進む中国のような大国で一回、
工業に動いた農民が再び農業に戻らないとすれば、
農業に従事する人が激減しますので、
このままの状態が続けば、
これまでのやり方で14億の人を養いきれなくなります。

日本のデパートやスーパーを見ても、
衣料品売場は縮小する方向にあって、
食料品売場に人だかりする時代に移りつつあります。
ですから、かつて呉服売場が
婦人服売場にスペースを譲ったように、
大型店でも婦人服売場が大きなスペースを
食品やレストランに譲る時代が来ることは目に見えています。
そうなると、農作物や畜産の現場も次々と改良されて、
どちらかというと工業生産に一段と近づくのではないでしょうか。

畑の耕作が機械化されるだけでなく、
天気に左右されない農耕法から
土地を必要としない生産方法まで
今までの私たちの常識を破るような新技術が
次々と登場してくる筈です。
いまは有機農法に戻っていますが、
もっと奇想天外な改良もあり得ると私は思っています。


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2010年1月6日(水)

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