中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3590回
日本株が売られてアジア株が買われる

昔から船に難波の徴候が見えたら、
最先に逃げ出すのは鼠だと言われています。
人間より鼠の方が敏感で、
船に鼠がいなくなったら人間の方も下船した方がいいのです。

いまはお金が鼠の役割をはたしています。
ここはお金にとって居心地の悪い所だぞというと、
人間よりお金の方が先に逃げ出します。
反対にお金にとって
仲間をふやすチャンスの多い所だということになると、
あちこちからお金が集まってきます。
お金にとって居心地がいいばかりでなく、
お金がお金を生んでどんどん仲間がふえるので、
その土地は商売も繁栄するし、人が集まって景気がよくなるのです。
ですからお金の集まる所はどこかをよく観察して、
お金の集まる所へ人間もついて行けば間違いないのです。

政権交代で日本は今までにない政策を
次から次へと打ち出していますが、
不況で税収が激減し、年に40何兆円かの歳入がないのに
90兆円にものぼる予算を組んで
不足分は国債で補う動きを見せています。
どうせ自分たちの政権はそう長く続くものではない、
ツケはあとの奴らに廻わせばいいという
気前のいい札ビラの切り方をすれば、
お金の方がびっくり仰天して
一目散に日本から逃げ出すにきまっています。

円高は日本政府がいじくっているわけではない、
ドル安のせいだから仕方がないという言いわけもできるけれど、
日本もドル安の被害をまともに受ける立場ですから
これから年々政府の借金が続けば、
増税と(今すぐではないけれど)
猛烈なインフレがあとに控えています。
お金は臆病ですから真先に逃げ出すにきまっています。
逃げ遅れたお金が日本国内で愚図愚図していると、
一網打尽にされることは目に見えているのです。

既にその徴候は見えています。
これから1年の間に、日本の株式をおいてけぼりにして
中国株を先頭に
アジアの株が大きく買われる可能性が大きいと見ます。
日本人がコツコツ貯めたお金が海外に動きはじめるからです。


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2010年1月7日(木)

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